日米金利差とドル円について考えてみた

日銀の政策修正とFRBの利上げピークとリセッション、または利下げ開始のバランスを考えて投資に動かないといけないため、変数が多く舵取りが一層難しくなってきている。

今年の半ばに日銀のYCCの変動幅が0.75-1.00%になるとの見方が出てきている。YCCの修正から、その後は実際の利上げへと着実に出口に向かう方向性だと考えるのは妥当だろう。

一方で米国はというと、ターミナルレートが5.25%あたりまで上昇するとの要人発言が相次いでいる中、市場はやっと少しずつ認識のギャップを埋めに行き始めている(ドルが再び買われている状況)。そして、逆イールドも当たり前の光景になってきた。

無論、為替市場は金利差だけでは説明できず、国際収支などの需給関係も加味しないといけないが、国際収支はある程度ラグを持ってドル円に反映されると見られるため、金利差との相関はドル円の方向感を考察するのには便利なツールである。

FRBの利上げ開始後は短期金利の2年債の日米金利差がボラティリティが高く、昨年を通して急激な円安との相関が強かったが、昨年11月以降の米ドル/円の急落は、日米10年債利回り差である程度説明が可能。

米10年債利回りは、昨年11月以降、CPIなどの落ち着きやFRBの利上げペース鈍化期待、かつ景気後退懸念も相まって、4.2%程度から3.3%程度まで、1%近くも低下した局面もあった。現在は3.9%付近まで戻して推移している。一方で、日本の10年債利回りは、昨年12月の日銀金融政策決定会合にて日銀がYCCの修正、具体的には長期金利である10年債利回りの許容上限を拡大したことで急騰。

以下は、JPMからお借りしたドル円と日米金利差の比較グラフである。

画像
日米金利差とドル円の推移 Source: JP Morgan

中長期:ここからはあくまで仮定の話だが、仮に今後リセッションに突入し、(2024年頃?)米10年金利が2%台まで下落、JGB10年金利が1%程度まで上昇すると仮定すると、金利差約1%程度となる瞬間があってもおかしくない。金利差が1%程度もしくはそれ以下だった景気後退期(グレーの部分)1991年、2008年、2020年の例を見ると、その間ドル円は2020年を除いて20%ほど下落。2020年は、思い返すと未曾有のコロナ禍への対応としてFRB緊急利下げのあと、有事のドル買い需要が凄まじかったためリスクオフの円高に触れたのは一瞬だった。(このように、その時に需給がどう動くかやリセッションあるいは金融ショックの大きさにもよるし、日銀が予想よりも大きく正常化に動くことで今度は債務問題に発展してJGBおよび円売り(いわゆる日本売り)に変化するポイントがあるかもしれないということは気をつけたい。)


今の円安レベルがずっと続くかもしれないし、続かないかもしれない。そのシナリオを当てるのは難しい。だからこそ通貨分散はおそらく賢明であり、その上でも為替リスクは常に隣り合わせであることは意識したい。最近の円安で外貨建て保険やドル建て資産が脚光を浴びているが、トータルリターン(実質利回り)と為替リスクを加味して妙味があるかをシミュレーションをして見極めるのが重要だ。向こう5~10年では、100円程度まで下落するリスクが存在することは覚えておきたい。


コメント

タイトルとURLをコピーしました