過去の恐慌について考えてみた

やはり経済が好調な時にインフレがおさまる訳もなく、市場はここ最近やっとFRBとのギャップを埋めにき始めている。(正直、想定よりも1ヶ月ほど遅かった。。)短期的には、完全に織り込み終わるまではUSD買い目線。

そうこうしている間に、アダニグループの暴露やら、米国個人負債が積み上がっているやら、不穏な動きも多々見受けられる。もう何がトリガーになるかはわからない。大切なのは心の準備をしておくこと。

今更ながら、米国中心の経済恐慌の歴史を振り返ってみる。おそらく学ぶことや考えさせられることは多いはず。

1873年:米国に端を発し、瞬く間にヨーロッパに広がった金融恐慌をきっかけとする6年にわたる大恐慌。主な原因は、鉄道産業の過大な拡大による鉄道建設の過剰と生産過剰であり、やがて銀行パニックに発展。

1893年: これも鉄道や鉱業を中心とした過剰投資、過剰設備が原因で起こった大恐慌である。J.P.モルガンが多額の投資をしていたフィラデルフィア・アンド・レディング鉄道の破綻をきっかけに、銀行の破綻が相次ぎ、信用収縮が起こった。

1929年~1939年:いわゆる世界恐慌。米国史上最も深刻な経済不況である。その主な原因は、1929年の株式市場の暴落で、これが銀行危機を引き起こし、消費者と企業の信頼を失墜させた。また、農業の過剰生産と商品価格の下落もその要因のひとつであった。この暴落の主な原因は、経済と高収益の可能性に対する過度の楽観主義によって、株式市場に投機的なバブルが発生したことである。多くの投資家が多額の借金をして株式投資を行い、株価が維持できない水準まで上昇した。やがて経済状況が悪化すると、売りが殺到し、株価は一気に暴落した。この暴落は銀行危機を引き起こし、銀行破綻が相次ぎ、景気はさらに悪化した。

1970年代後半から1980年代:貯蓄貸付組合危機。貯蓄貸付組合による不十分な規制とリスクの高い不動産事業への過剰投資が主な原因となり、債務超過に陥り、最終的には政府の介入を受けることになった。

2000年〜2001年:ドットコムバブル。テクノロジー株への投機的バブル。ビジネスモデルに疑問のあるインターネットやテクノロジー企業への過剰投資が主な原因となり、最終的に株価が暴落した。

2008年:世界的な影響を与えた金融危機(GFC)。2007年ごろから醸成された安易な信用供与による住宅バブル、複雑な金融商品への過剰投資、金融機関に対する不適切な規制など、さまざまな要因が重なったことが主な原因である。この危機は、住宅ローンの債務不履行が相次いだことが引き金となり、銀行危機、世界同時不況につながった。

こうして見ると、恐慌の共通のテーマとして、過剰投資と過剰な拡大、不十分な規制、リスク管理の欠如などが結果金融システムの信用不安につながるきっかけを生み出してきたのがわかる。

現代に置き換えて考えてみると、世界的不動産バブル、仮想通貨市場の拡大と不十分な規制、粉飾決算、過剰なレバレッジ投資、それによる某大手金融機関の大損失など、、詳細や時代背景は違えどリスクは散在している。不幸中の幸いとも言えるのは、一応大手金融機関にはGFC以降かなり厳しい資本規制とレバレッジ規制が課されていて、銀行の足腰は昔に比べると強くなっている。(オフバランスのリスクは計り知れないが。)

さて、今回の利上げ局面に経済がどこまで持ち堪えられるか。大事なのは、予測不可能なことを予測することではなく、リスクを把握してそれに備えること。いつ暴落が起きても、最小限のダメージに抑えられるように準備することを心がけたい。


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