新体制植田日銀はどう動くか

新日銀総裁に植田氏が就任し、先日就任会見が行われたので、以下、キーポイントと個人的な感想を備忘録的にまとめてみた。

  • 金融緩和は継続
  • 基調的な2%インフレ率、安定的、持続的に達成するにはなお時間」
  • いずれタイミングが来れば、正常化に向かいたいが、急に正常化すれば市場が大きな調整を迫られる
  • インフレや経済情勢を踏まえ金利を大きく上げる状況にないとの認識
  • 金融緩和(金利操作、ETF(上場投資信託)の購入)について、副作用はあったと認識

率直な感想としては、市場がそれまで織り込んできた4月または6月の政策修正観測に比べるとハト的だと思った。前回の所信聴取や今回の会見は、無難に通過させるのが最優先だったのだろう。

しかしこれにより、急激な政策修正を4月会合でサプライズ的に実施すると、むしろ植田新体制への市場の信認は低下するリスクがある。

海外金利が落ち着いてきてイールドカーブはスムーズになってきているのも、日銀が政策修正を急ぐ必要性は後退している。(現状では歪みを気にする状態にない)

これからも、なるべくno surpriseで運航、そして資源価格と海外金利の上昇のピークが少しずつ見えてきている中でもう少し耐えれば自然と(海外中銀が利下げに踏み切るタイミングで)JGB売りプレッシャーも和らぎ、円安も落ち着いてくるのでは、という公算か。また、海外経済がいよいよ景気後退の芽を出し始めていることも、黒田日銀が政策修正を行なった去年12月とは異なる状況にあり、日銀への相対的プレッシャーは和らぐ方向性かもしれない。

それにしても、最近は日銀や日本株に注目が集まっていて、古巣の米系証券の元上司の話だと、海外投資か向けに日銀の動向や日本経済についてを語る「Japan Day」が企画されるほど日本に脚光が浴びているらしい(豊島さんも似たようなことを言っていた)。昨日のウォーレンバフェット発言効果もあり、、ここで日本株にマイナスになるような政策は積極的に取りにくいという政治的プレッシャーも出てきた模様。

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